乱暴な言い方を許してもらえれば、構造的把握力検査というのは、「あなた日本語通じますか」と聞いているようなものです。
特に、文のグルーピング問題は、社会生活の中で頻繁に使われる言葉と論理が問われているだけなので、その意味では、決して難しいテストではありません。
しかし、大学の授業レポートひとつ満足に書けず (あるいは書く意欲がなく)、コピペを繰り返しているような学生にとっては、非常にハイレベルの試験と感じるかもしれません。そして、このテストで問われている言葉と論理の力は、企業などで日々仕事をこなしていく上で必須のものといえます。
SPI2を含めた従来の採用試験では、確かに丸暗記でも何とかなる部分がありました。ところが、SPI3の構造的把握力検査は小手先のやり方が通用しません。まさに、あなたの底力が問われているのです。これは頭の良し悪しとか、知識の多い少ないといったこととは無縁です。ふだんから、ものを考えて生活しているかどうかが白日のもとに曝(さら)されることになります。事実と想像をきちんと区別して判断できるか、あることがらの中身と背景を分けて取り扱えるかといったことなどです。
また、算数の文章題の構造に登場する問題の一つ一つは、小学校からせいぜい中学1、2年程度のレベルのものです。その分野のことをすっかり忘れていたとしても、少し復習してみればたいていの人は解法を思い出すはずです。
むしろ難解かどうかの判断は、文章題の解き方を丸暗記してその場しのぎでやってきたか、基礎からきちんと理解して問題の構造を把握しているかという点で分かれることになるでしょう。しかし、基礎からの理解ができていない人でも、まだ間に合います。小学校の算数を習った順にもう一度やるのではなく、体系的に復習してみればよいのです。それに適した教材もあります。たとえば、割合の計算と速さの計算は、どちらも同じ構造になっています。さらに、濃度や密度といったものも同じ計算構造です。
このようなことを俯瞰的に見る勉強をすれば、効率的に対策ができるはずです。