SPI3「構造的把握力検査」に対策は有効か?

適性検査SPIを実施しているリクルートキャリア社のホームページでは、「受検者が「対策本」を利用して事前学習を行った場合も、能力検査の得点には影響がないことを実験により確認し」、また「複数回受験した場合でも、得点に大きな差が生じるなど実用上の問題はありません」と言っています。

しかし、詳しく見ていくと、「能力検査を複数回受験したときの得点変動を平均すると、やや得点が高くなる傾向」があり、事前学習実施群と非実施群の平均点を比べると、少しですが事前学習実施群のほうが高くなっていることが分かります(「就職試験対策がSPIの検査結果に与える影響について」より)。

その理由は、検査自体への慣れ、問題形式への慣れ、またそれらによる解答所要時間の短縮などの影響が主だとしているのです。

準備をして受けるほうが高得点が期待できる

つまり、何も知らずに受けるよりは準備をして受けるほうが高得点が期待できるということです。そして、ただ漠然と問題について知っているのと、出題内容を分析して整理して対策した場合(まさに構造的把握?)とでは、どちらが高得点を望めるか? それは明らかに後者ですよね。

検査において、少しでも自分の実力を発揮して得点を上げたいと思う人にとっては、たとえその差が数点だったとしても、対策は有効なのです。

SPI3「構造的把握力検査」は事前の情報なしに突如2013年1月から実施され、受検者たちは今までと全く異なる問題に戸惑い、本来の実力を発揮することは難しかったはずです。

実際、私たちが聞き取り調査をした受検者からもそのような声が多く聞かれました。

多くの人がその全体像を捉えかね戸惑っている今だからこそ、他に先駆けてこの高度な思考能力を要求する問題に対応していくことは意味のあることだと言えます。

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